30ニート

30歳のニートがブログ

クックパッドだけでは料理上手になれない

わたしの両親は共働きで、小学生のころから朝ごはんは自己責任でした。低学年のころは毎日甘ったるいコーンフレークをシャクシャクと食べ、高学年になるとなぜか「おかゆ」にどハマりして毎朝違う味のおかゆを食べていました。

中学に上がると、夕飯の面倒を見てくれていた姉が家を出てしまったため、夕飯当番に抜擢。それからは高校卒業まで、平日は毎日夕飯を作る生活をしていました。門限はないもののお小遣いが少なかったので、夕飯を作るために19時には帰る優等生。

そのおかげで、高校生になるころにはある程度なんでも作れるようにはなり、23歳から始めた一人暮らしも楽観的にとらえていました。これまでの実績があるから、きっと自分は苦労せずに料理ができるだろう、と自負していたのです。

 

一人暮らしの節約レシピは、家族レシピと同じようにはいかない

家族3人分の夕飯を作るとき、たとえば適当に「麻婆豆腐の素」やら「回鍋肉の素」を買ってきたとして、裏に書いてあるレシピ通りに作れば良かったんですよねー。でも、一人分となると、そうはいかない。2〜3人前だと多すぎるんだよ!1人前だけ作らせてくれよ! というのが本音です。

しかも、わたしが一人暮らしを始めたときは、時給850円でがんばって働いて月15〜16万円を稼ぐ、というスタイル。そこから家賃5万、光熱費と携帯・インターネットで約2万、つまり生活費は8万円そこそこしか残らない。華の遊びざかり23歳が8万円で生活するには、そして充分に遊ぶには、極力食費を浮かせなければならなかったのです。

 

わたしは考えました。そして、実家のことをきれいさっぱり忘れる努力をしました。なぜかって、あの時と同じような食生活と料理をしようものなら、すぐに残高がなくなってしまうから。

まず頻繁に作ったのは、野菜スープ。とにかく野菜を食っておけば健康になれるだろう、と、野菜を買ってきたらスープにしました。肉を買うと1食で150gくらい平気で食べてしまうことはわかっていたので、買わない。肉の代理としてウィンナーを買って、1本ずつ調理していました。

ウィンナーは、縦に4つに割ってから、小さく刻む。こうして量を増やした感じを味わいつつ、肉の旨みを最大限に引き出すように……細かいウィンナーをスープに足したり、チャーハンにしたり、今日は贅沢するぞ!という日には1本そのまま焼いて食べたり。少しでも「肉を摂取した感」が高まるように頑張っていたのであります。

さらに昼ごはん、これが一番の悩みのタネでした。働くために食べるご飯、という意識が強い分、ここにお金をかけたら、かけた分だけ損だと思っていたので。よくやっていたのは、100円台の菓子パン+100円の紙パックのジュース。これで200円で済ませる作戦をやってました。菓子パンはカロリーの一番高い商品を選んでコスパを高める努力をしていたのです。今思えばアホだなぁ。

米を炊くのが苦じゃないときは巨大おにぎり+水筒にお茶、というのもやってました。これはかなり満腹感があったのですが、夏は危険だからできなかったのと、起きるときに米の炊ける甘い匂いが漂ってきて不快だったので、長くは続きませんでした。

 

当時は若かったのもあって、合コンに誘われると本当に嬉しかったです。ごはんを食べさせてくれる社会人のお兄さんたちが神々しく見えていました。あの女性と男性が列になって座っているところに乗り込んで行って「ご飯を食べにきた」というのを悟られないように、しかし誰よりも着実に箸を進めるという経験は、なかなかにスリリングでしたね。

 

二人暮らしもレシピを考えるのは大変だった

さて、こんな苦労もありつつ一人暮らし生活を乗り切ってきた身としては、二人暮らしなら余裕っしょ。と甘くみておりましたが、二人もなかなかに大変でした。

二人暮らし当初、わたしも頑張って働いていたこともあって、まぁそこそこお金はあったんです。それこそ毎日外食してもいいくらい。牛丼くらいだったら全然問題ないし、800円くらいで定食やラーメンが食べられる。ちょっと奮発してビールをつけても、二人で2000円くらいなら文句なし。

と、思うじゃないですか。でも当時と今では状況も違うし、まぁ将来のための貯金とか。遊ぶ金欲しさとか。誰かさんがニートとか。いろんな事情がありつつ、少しでも削れるところは削った方がいいに違いない。じゃあ自炊しよう。となった、今。

 

さて何を作ろうか?

ここが、とてもツラいのです。

 

「何食べたい?」「君が作ってくれるものなら何でもいいよ」

……そんな甘い台詞じゃ、全然役に立たないのよ! 献立考えるのも大変なのよ! と訴えても、仕方がないのです。彼の辞書には「ラーメン」「牛丼」「カレー」「ハンバーグ」くらいしか登録されていません。週5日、月20日分の献立は、どこからも出てこないのです。

 

じゃあクックパッドを開こう、と思っても、どれもめんどくさく見えてくるんですよね。そもそもの買い出しがめんどくさい、とか。好き嫌いがあると、さらに自炊はめんどくさくなります。鶏はダメ、魚もダメ、豆腐は好きだけどおからはダメ。こんな風に選択肢が狭まると献立が偏ってきて、「似たような食卓が続くなんて、わたしはなんてダメな人間なんだ」と思ってしまいかねません。

しかも、たとえば野菜が高騰しているときに無理して野菜を買うと、やよい軒大戸屋で定食頼んだ方が安かったんじゃないかという原価を弾きだしてしまうことも。これでは自炊した意味がない。節約にならない自炊をするくらいなら、毎日牛丼食べた方がマシ。と、牛丼好きのわたしは思ってしまうのです。

 

しかたなく、わたしはローテーションを作りました。あと、週5日も自炊しようと考えるのもやめました。最大週4日でいい、あと3日は外食してやるぜ! と思えば、4日くらいは頑張れるものです。

週1で作るものを、4つ決める。これなら簡単です。我が家は「肉巻き」「カレー系」「炒めもの系」と、気が向いたら「気合い入れる料理」を作っています。

 

  • 肉巻き

これは、野菜やキノコ類を豚肉で巻いて焼くやつ。巻ければ何でもいいので、ニンジン・エリンギ・舞茸・ピーマン・ジャガイモなど、縦長に切れる食材を適当に買って作ります。太めに巻いて、かつ味を濃いめにすると、満腹感がものすごくアップするので家ご飯サイコー!となります。

予算を「二人で1000円」くらいにして買い物すると、豚肉+ニンジン+大葉+キノコ+ジャガイモ+キャベツ、場合によって玉ねぎ、くらいでしょうか。ジャガイモと玉ねぎは味噌汁にも使って、キャベツとツナ缶あたりで付け合わせを作れば、割としっかりご飯が食べられます。

 

  • カレー系

ご飯の王道カレー! とにかく続くと飽きるので、ハヤシライス、ホワイトシチューなどに変えつつ、1回で食べきれる量を作るように気をつけています。特にカレーはウェルシュ菌が問題になったので2日目はない勢いで食べる。「肉巻き」の日に買った、玉ねぎ・ニンジン・ジャガイモがそのまま使えます。肉はひき肉にするとリーズナブルだし、どこをスプーンですくっても肉が入って嬉しい。

 

  • 炒めもの系

麻婆豆腐、しょうが焼き、適当に肉と野菜を炒めたヤツ、などなど。フライパン一個で作れる系はやっぱり助かりますよね。こういうのを作るとき、キッチンが狭くて切った野菜どこに置けばいいの?と思ってたんですけど、フライパンに切った野菜をそのまま放り込んで、全部入れ終わったら火をつけるスタイルなら場所を取らないことに気づきました。

 

  • 気合い入れる料理

わたしは餃子が好きで、何も考えていないときに「餃子たべたいなぁ」と口走っていることすらありますが、肉を練ったり野菜を細かく切ったりするのが嫌いです。でも時々無性に餃子のヒダを付ける作業がやりたくなる。そんなときに作ります。皮がくっついて破れても、味は餃子なので問題なく食べれちゃうところが好きです。

 

今日の夕飯は手抜きだな。そう決めた日にやることは「副菜を作る」です。白菜かキャベツをチンして、ツナ缶混ぜたやつとか。もやしを茹でたやつに、ゴマ油と鶏がらスープでお手軽ナムル、とか。ちょっと手間かけてきんぴら、とか。何でもいいんですよ、「今日は2品も作ったのよ」と胸を張れれば。そして、同居人に少しでも多くの野菜を食べさせることができれば。

 

おわり

バラバラとした文章になってしまいましたが、結局クックパッドというのは「これを作ってみようと思うけどレシピがわからない」という時に使うツールであって、「あなたの生活にぴったりなレシピを自動で教えてくれる便利ツール」ではないんですね。検索窓は、自ら文字を打たなければ検索ができないのです。とにかく毎日ご飯作るのに必要なのはレシピではなく「面倒」という気持ちを押さえ込む精神力なのでしょう。

ちなみに我が家の自炊率は、炊飯器を捨ててからぐんと上がりました。鍋で炊いた米は、想像以上に美味しいものです。研いだ米と、米の1.25倍の水を入れて、中火10分、沸騰したら弱火10分、火を止めて10分。これだけで炊き上がります。