30ニート

30歳のニートがブログ

上司だったとき、を振り返る

前回、自己紹介がてら出した1記事目にもチラリと書きましたが、転職前は編プロ的な会社に勤めておりました。

とても小さな会社でしたが、そこでは「上司」をやっていまして、まぁ色々と未熟なりに努力なり、工夫なりをしていました。今回は、そんなもう二度と来ないかもしれない経験を、文章に残しておきたいと思います。

 

上司たるもの、コミュニケーションせよ

よく「親は子供の見本だ、手本だ」と言われるけど、社会も同じ。新入社員というのは皆「ひなどり」であって、上司を見てひとつひとつを学んでいくのです。

まぁ反面教師という言葉もあるように「これではいけないな」と思うような上司も、ひとつの学びを与える存在としてはアリかもしれません。ただ、わざわざ反面教師になる必要はないと思いませんか? ごく普通に尊敬される先輩になれれば、それに越したことはありませんよね。

 

見本として、学校に例えると「先生」的な存在であってほしい。というのが、部下の切実な願いなのです。アイツは仕事をしない、愚痴ばかり言う、責任をなすりつける。そんな辛い思いをしたことがあるなら尚更、上司になったら見本でありたいと強く思うはずです。

 

先生というのは、始業時間よりも早くに学校に来ていて、門に立って「おーい遅刻するぞー」と声をかける存在ですよね。これを会社に当てはめて、声かけを始めてみる。これが上司の一歩だとわたしは思います。

 

ただ、上司になったからと言って、別に社員全員に声をかける必要はありません。学校じゃないんだから、というのもあるし、社長でもない限り部下の数は限られているものなので。でも、自分の直属の部下には、朝イチ自分から声をかけた方がいいと思います。「おはよう」だけでもいいし、「今日は早いね」なんて一言添えてもいい。とにかく、コミュニケーションを増やす努力を、上司はすべきなのです。

というのも、上司と部下は、双方が望んでなるものではないですよね。「あなたの部下になりたくて」入社した人間、「あなたの上司になりたくて」昇進した人間、どちらもほとんど存在しない。つまり必ずしも「相性の良い二人」ではないのです。

そこで上司が個人プレーをしようものなら、それは上司ではなくただのひとりよがりさんです。そういう人は個人事業主になって個人プレーすればいい。集団で業績を上げるのが会社で、チーム戦が基本になるのだから、円滑に仕事を進められるようにチームを作り上げるのが上司の役割、とすれば相性を高めるのは上司の仕事に他ならないはずです。

 

それでは、なぜコミュニケーションを増やすべきなのか。それは、友達関係でも恋愛関係でも、同じことが言える。コミュニケーションの回数が増えれば増えるほど、好意を抱きやすい。まぁ、そういうもんなんです。

※「ザイオンス効果」とか「接触理論」とか。詳しくはググってください。

 

部下から好かれなくてもいい。

とはいえ、お互いに「話しかけるのに抵抗がない」くらいの関係性にはなっておかないと、仕事にならないですよね。「質問されない」「報告が遅い」「相談してほしかった」そんな愚痴を吐いてる暇があったら、毎日しっかり挨拶しましょう。昨今はセクハラやらモラハラやら、いろんなハラスメントがあって些細な発言がしづらいかもしれないけど、挨拶に加えてもう一言を発する努力をするのです!

「今朝電車すごい混んでたね」とか、「昨日コンビニの新作スイーツ食べたんだけど、おいしかったよ」とか……本当どうでもいいな!と思われそうなことでも構いません。とにかく会話は回数、相手から雑談されるようになるまで、めげずに繰り返すのです。

 

まぁ、やりすぎると「あいつ、すげーどうでもいいことで話しかけてきてウザい」とか言われかねませんが。わたしはどちらかと言うと、この部類を狙って「部下に雑談を持ちかける時間」を作ってました。

というのも、雑談するキャラとして認定されると、部下から話を持ち出してくれることが増えて、最終的にラクになります。こっちからがんばって話しかけなくてもよくなるから。別チームの部下と接点を増やすために「お昼前は社内をウロウロする」とか、「午前と午後、1回ずつは雑談を持ちかける」とか、「週に1回は部下と長めのランチに行く」とか。とにかく本音としては、コミュ障だし誰とも話したくないと思ってたので、努力して補いました。

 

<どーでもいい補足>

わたしが部下をやっていたとき、いつも怖い顔してる先輩が大の苦手でした。でも、一緒に働いてみるとその先輩は雑談上手で、一生懸命仕事してる時にくだらないギャグをぶち込む才能があったので、「なんだか憎めないなぁ」と距離を置かずに済んだ経験があります。電話が苦手すぎて発信ボタンを押すのに軽く1時間はかかっていたわたしには5分おきに「電話にでんわ」と書かれたイラストを送ってくるような、そんな先輩でした。

こういうのはキャラもあるけど、後から聞くとものすごい時間に残業してたり、泊まり込みの日もあったらしいので、案外努力してギャグ突っ込んでたんだな、と思います。もしかしたら、普通におかしな人だったのかもしれませんけどね。

 

おすすめコミュニケーションは「長めのランチ」

飲みに行くのも手だけど、そもそも飲まないとか、仕事とプライベートは分けたいとか、飲みに行って親交を深める文化は終わりが来てるように感じます。わたし自身、飲みニケーション的なやつが嫌いで、っていうか飲めないし眠いしって思ってたのもあって。

そこで、上司特権でランチタイムを延長してました。たったの1時間では「それでさぁ」と込み入った話までに持ち込めないんですよね、なかなか。そこで、「今日はランチの後コーヒーでも行かない?」と誘って、1時間すぎたあたりから悩んでること、困ってることがないか探りを入れるようにしていました。

その分の部下の仕事には責任を持たないといけませんが、「この人は自分のために時間をつくってくれるんだな」と思わせることがメインの目的なので、踏ん張りどころ。一度そう感じた部下は、仕事で行き詰まるとまず相談してくれます。もし部下本人にとって納得いかないことがあれば、「自分はこう思うんですけど」という本音の部分を教えてくれるようにもなります。これだけで、部下がとっても扱いやすくなるので、本当にコミュニケーションって大事。

 

おわり

ひとつだけ要注意なのが、本音を聞き出した後に放置すると、よりいっそう不信感が高まる点。信じた相手に裏切られると取り返しのつかないほどショック受けません? 「大好きって言ってたのに浮気したってどういうこと?」ってなりますよね?ね???

 

もし聞き出した本音が、例えば仕事辞めたいとか、別の仕事したいとか、そういう重たいやつだったら、すぐさま上司に相談しましょう。会議の話題にはしたくない、それならマンツーで話せばいいんです。係長なら部長に、部長なら社長に。「こっちは部下なんだから話くらい聞けや」って勢いで大丈夫です。ここまでで十分伝わっているかと思いますが、部下の話を聞かない上司は、上司失格ですから。